クウと招き猫、そして直虎
寒中お見舞い申し上げます。
すでに1月末ですが、2017年最初のブログです。昨年は、個人的にはにゃんこ生活デビューイヤーとして記憶に残る年となりましたが、みなさまはいかがでしたでしょうか。本年もよろしくお願いいたします。
さて、年明けだし縁起のいい写真を載せたいと思いまして。で、事務所にある大きな招き猫といっしょにクウを撮ってみました。ざぶとんにクウをすわらせて隣に招き猫を置いてみると…。
じっと見つめてからにおいをかぎはじめました。そのあとざぶとんを降り、「ん? なんだこの物体は…」と、さらににおいをかいだり、さわったり、いろいろと確認作業をしていました。
下の写真はざぶとん写真とは別日に撮ったものですが(首輪が違います)、両日とも同じように「何だこれ」行動をとっていました。しばらくすると、招き猫が動かないことがわかって興味を失い、離れて行くのですが…。
ところでこの招き猫は、招き猫発祥の地(のひとつ)とされる、世田谷区のお寺「豪徳寺(ごうとくじ)」(東京都世田谷区豪徳寺2-24-7)で買ったものです。江戸時代、近江(現滋賀県)彦根藩の第2代藩主の井伊直孝(いいなおたか)がこのお寺の前を通りかかったとき、そこで見かけた白猫(お寺の和尚さんの飼い猫)が手招きしているように見えたのでお寺で休むことにしました。
↑ 豪徳寺の招き猫は小判などはもっていません。右手をあげたシンプルなタイプ。滋賀県彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」も、豪徳寺の前で手招きしていた猫がモデルだそうです
すると直後にはげしい雷雨になったそうです。猫に導かれて寺に入ったおかげで雷に打たれずにすんだと考えた直孝は、寺を整備し、井伊家の菩提寺(のひとつ)としました。豪徳寺には、有名な15代藩主・井伊直弼(いいなおすけ。「桜田門外の変」で暗殺された江戸幕府の大老)をはじめ、江戸時代に亡くなった井伊家の方々のお墓があります。
↑ 豪徳寺・本堂前の参道
話は変わりますが、1月からはじまったNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」。女性ながら「直虎(なおとら)」という勇猛果敢な名前のこの主人公も、井伊家の人です(今が旬の女優・柴咲コウさんが演じています)。
跡継ぎとなる男子がみな亡くなり、井伊家存亡の危機となったとき、女性ながら当主として御家を守り、のちに彦根藩初代藩主となる井伊直政(いいなおまさ。幼名「虎松」)を2歳から養母として育てあげ、井伊家を救ったそうです。豪徳寺で猫に招かれた直孝の父上が、この、直虎に育てられた直政です。
↑ 豪徳寺・招福庵
大河ドラマ、じつはめったに見ないのですが、「直虎」という名の女性という、何やら強そうなイメージにひかれて見はじめました。虎はネコ科の動物でもありますし(笑) また、豪徳寺の招き猫伝承と関連のある井伊家の話だということがわかり、より興味をそそられています。まだ話は主人公の子供時代なのですが、子役たちがとても演技力があり、いい味を出しています。これは続けて見てもいいかな?
↑ 豪徳寺・招猫殿横。招き猫がたくさん奉納されています
ところで、昔の和尚さんはよく猫を飼っていたのでしょうか? 豪徳寺の招き猫伝承の猫もお寺の飼い猫らしいですし、大河ドラマに出てくる和尚さん(南渓谷和尚。小林薫さんが茶目っ気たっぷりに演じています)も茶トラ?の猫を抱いています。お寺は来るもの拒まずなので、勝手に住みついたノラさんにエサをやっていたということなのかもしれませんが…。
上の豪徳寺の写真は3年前の春に撮ったものです。桜がとてもきれいなので、この春、また行ってみたいと思っています。今年は井伊家ゆかりの地めぐりでたくさんの人が訪れていそうですね。
【サイト紹介】
【本紹介】
井伊家17代当主の長女である著者が、子孫として代々語りつがれてきたことを交えながら、井伊家の歴史を女性らしいやさしい語り口で綴っています。(私のような)お堅い歴史本が苦手な人の井伊家入門書としておすすめです。
直虎のムック本は数多く出ていますが、書店で見て、レイアウトがシンプルで読みやすく、簡潔にまとまっているものを選びました。巻末付録として「事典 直虎をめぐる人物群像」がついているところもポイントです。